天の羽衣

現代語訳

天からの使者の1人が、箱を持っていました。この箱には天の羽衣が入っています。また別の箱には不老不死の薬が入っていました。使者の1人が、かぐや姫に向かって言います。

「薬をお飲みになってください。長い間このように汚いところにいらっしゃったので、きっと気分が悪いことでしょう。」と

かぐや姫は少しそれをなめてから、(薬を)形見にと思い、先ほど脱いだ着物に包もうとしますが、天からの使者はそれをさせません。天の羽衣をかぐや姫に着させようとしたところ姫は、

「ちょっと待って。聞くところによると、この天の羽衣を身にまとうと、心が変わってしまうらしい。1つ言っておくべきことがありました。」

と言って、手紙を書き始めました。