わやくの部屋

UNICORN 2 -Lesson 3

The Debate Girls
ディベート少女

Section 1

みなさん、こんにちは! 名前は明日香です。英語ディベート部の部長です。ディベートってどんなものかほとんどの人が知らないと思います。みんなの多くがテニスやバレーボールのようなスポーツを楽しんでいるのと同じように、私はディベートを楽しんでいます。でも、ディベートにはラケットもボールもいりません。代わりに、口先と頭脳でゲームをします。

ディベートは知的なスポーツです。4人のディベーターが1つのチームを作って、厳格なルールのもとでいろいろな話題について賛否両論を述べます。審判の方々の目から見てより説得力がある議論を進めたチームが勝利します。普通のスポーツと同じように聞こえませんか?

ディベート部に入った時には3人の新入部員がいました。美苑と由紀乃と私です。本当のことを言うと、その当時、私は英語を話すのがとても下手で、最初の試合は悪夢になりました。試合の最中に、何も思い出せなくて頭の中が真っ白になりました。ホントに落ち込んでしまいました。でもこのことで目が覚めたみたいです。英語ディベートがいかに難しいのか実感しました。英語ディベートを身につけるためにはどんな努力でもする心構えができました。部員は「頑張ってるね」って言ってくれますが、みんなも私と同じくらい頑張っています。次は副部長の美苑が話してくれます。

Section 2

こんにちは、美苑です。1年の時には全国大会で22位に終わってしまいました。それが転機になりました。もう絶対に2度と負けないって決めました。みんなの共通の目標は次の年の優勝でした。週6日、毎晩遅くまでの練習が始まりました。終電に遅れないよう走らなければいけない時もありました。通学に2時間もかかっていましたから、明日香の状況はもっと困難でした。にもかかわらず、明日香は弱音を吐いたりしませんでした。それがもっと一所懸命に練習しようって気にさせたのです。

どんなふうに練習してるか説明させてください。絶対に必要な道具はストップウオッチです。ディベートではできるだけ論理的にそして流暢にしゃべらなければいけません。例えば、2分で320語も話す必要があります。毎日繰り返し何度もストップウオッチ片手にこうした練習を繰り返すんです。自分でもやってみてください、そうすればこのスピード(のすごさ)がわかりますよ。でも舌をかまないように気をつけてくださいね!

試合中は時間がとても大切です。たとえ間違っても、気になって(話すのを)やめたりは出来ません。ディベートには落ち込んでる時間なんて本当にありません。ディベートのおかげで私はずっと積極的になれたようです。

Section 3

こんにちは、由布加です。私は他の3人の後輩です。ですから、ディベートの初歩から教えてもらってきています。そうしたことのうちの1つは調査の重要性です。情報が多ければ多いほど、議論に説得力が増してきます。

去年の全国大会でこんなことがありました。テーマは「日本は移民政策を大幅に緩和すべきである」でした。私たちは否定側でした。十分な労働者を確保するために日本が移民を受け入れることがとても大切だと相手チームが言うまで、小川先輩は自由に話させました。その時です。日本は本当に今すぐ移民を必要としているのでしょうかと尋ねました。この質問に対して、相手チームは当然Yesと答えました。でも、これこそ小川先輩の巧みなワナだったのです。「『直ちに』と仰いましたが、私たちのデータによれば、日本は今後20年間は十分な潜在労働力をすでに持っていることが分かります――女性や高齢者です! ここに信頼できる資料があります。」と先輩は言いました。

もう想像できるように、ディベートはとても攻撃的な時もあります。いつも緊張の連続ですが、そのおかげでやる必要のあることにもっと集中できるのです。その上、3人の先輩はいつもそばにいて、「妹」の私を元気づけ、支えてくれます。ディベート中にどうしていいかわからなくなったことはありません。

Section 4

名前は由紀乃です。ひょっとして、ディベートの試合ってなんて難しんだろうって知って驚いてるんじゃないかな? グラウンドを走り回ったりはしませんが、即座に考えなければいけません。集中は欠かせません。試合中に集中し続けるために、私はよくチョコをかじります――太るってわかってはいても。もう1つの大切な点はコミュニケ―ションです。ディベートの時にはアイディアを出したり言い忘れたりしないように、走り書きのメモを4人で交換します。時間を省くために独自の暗号を使う場合さえあります。気を抜いたら負けなのです。素早さとチームワークが勝利のカギを握ります。バスケの試合と一緒です。こんなふうにして全国大会で優勝しました。

チームワークの秘訣ですか? 明日香と美苑と私は1年の最初からズット一緒に練習してきています。それから由布加が加わって完璧なチームになったんです。お互いにたくさん話しあいましたから、3人を信じ切っていますし、3人も私を信頼しています。要するにそういうことだと思います。習うより慣れろ――こうすることによってのみお互いの中に自信が生まれます。

今は世界大会に向けて準備をしています。きっと、どの試合も厳しい戦いになるでしょうが、世界中の立派なディベート競技者に会えるのが待ち遠しくって!