わやくの部屋

PRO-VISION 1 -Lesson 8

Be the Hope for the Next Generation
次の世代の希望になってね

As you grow older you will discover that you have two hands. One for helping yourself, the other for helping others.

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年を重ねると、自分には手が2本あることに気づくことだろう。片手は自分を助けるためのもので、もう片方の手は他の人たちを助けるためのものだ。

Section 1

こんにちは、皆さん。今日、皆さんとともにここにいることができ、とっても嬉しくて、とっても感激してて、とっても光栄です。

ファーストレディーとして最初の卒業式のスピーチをするために、なぜカリフォルニア大学マーセド校を選んだのか不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。答えは簡単です。皆さんが私をその気にさせたのです。皆さんに感動したからです。若い人たちが自分たちの夢を実現する力を持っているのをこの目で見ることよりも感激できることは、そんなにはありません。そして、皆さんはまさに夢を実現なさったのです。

皆さんがなさったことを話させてください。学生の皆さんから何千通ものお手紙とバレンタインカードをいただきました。1通1通がどれも希望と熱意に満ちあふれていました。

この大学に関係のある人たち一人ひとりからもお手紙を受け取りました。学生の皆さんからだけではなく、お父様、お母様から、おじいさま、おばあさまから、ご近所の方から、お友達の方々からお手紙をいただきました。どのお手紙にも、皆さんがどれほど一生懸命に勉強なさったのか、今日のこの日が皆さんにとって、マーセド・コミュニティ全体にとってどんなに大切なのかが綴られていました。

Section 2

皆さんのうちの多くの方がご家族の中で初めて大学を卒業する人なのは、私も存じ上げています。ご存知のように、最初であるということは、しばしば大きな責任です(→責任を伴います)。記録的に高い失業率にうまく対処するために悪戦苦闘しているコミュニティでは特に、責任が大きいことでしょう。就職口は少なく、皆さんのうちの多くが卒業証書を手に町を出ることを考えていらっしゃるかもしれません。

しかし、皆さんを今日この日に導いた(→見事ご卒業にまで導いた)のと同じ希望と熱心な勉学を求めていただければと思っています。ここで学ばれたことを使うことによって、皆さんは道がまったく見えないかもしれない、もしかしたら子供たちに道を短くしてあげることができるのです。私はかつてそうした子供たちのうちの1人でした。皆さんのうちの大部分の方も、昔はそのような子供の1人だった(はずです)。

この学校を作るのを手伝った学生として(→皆さんは本学の歴史をお作りになったのですから)、皆さんにお願いがあります。この遺産を長く続くものにしてください。大きく夢を見、人生について広く考え、その夢の一部をコミュニティに恩返ししてください。皆さんをこの地点まで導いたのと同じ希望と熱心さをお持ちになって巣立って行ってください。そして、残りの人生でいつもこの希望と熱心さをお持ちになってください。

しかし、あの大きく広がる世界に1歩を踏み出し、ご自分の人生を築き始めるとき、つらい時期に直面し、ハッキリと疑いを抱かれることも、確かにあるでしょう。練り上げられたどんなにいい計画でも、多くの障害によってとん挫することでしょう。自信を粉々に打ち砕くような間違いをしてしまうこともあるでしょう。夢のうちのどれか1つにでも明確で、真っ直ぐにつながった道はめったにないことに気づかれることでしょう。何度も何度も繰り返し再調整をしなければいけないということがお分かりになるでしょう。もう辞めたいと思われる瞬間もあるかもしれません。

Section 3

そのような時には、今日のことを思い出してください。周りをご覧ください。皆さんがこの地点まで来られるのを手助けしていただいた何千もの勤勉な方々がいらっしゃいます。皆さんのために犠牲になった方々のことを思い起こしていただきたいのです。皆さんが大学を卒業できるように(普段)よりたくさんの仕事を引き受け、皆さんがこの日に到達できるように何か大切なことをするのを先送りにしてきたご家族のことを思い起こしていただきたいのです。

そして、大学に進むチャンスを1度も手にしなかったけれど、皆さんのご成功に投資したお友達のことを考えていただきたいのです。大学を途中でやめるのを思いとどまらせてくれたご友人のことを、皆さんが4年で卒業できるように困難から守っていただいたお仲間のことを考えていただきたいのです。

けれども1番大切なのは、皆さんと同じ大学生の立場には絶対に近づけもしないような世界中で生活している何百万人もの子供たちのことを思い起こしていただきたいのです。どこかの過酷な労働環境の工場で強制的に働かされているために、学校に行くなんて夢のまた夢の子供たち、幸運をつかめないで、想像できることをこなすのに十分善良で、十分頭のいい子だと言ってくれる人を人生で一人も持っていない、皆さんとちょうど同じコミュニティにいる子供たちのことを思い起こしていただきたいのです。夢を見る能力を失ってしまった子供たちのことを思い起こしていただきたいのです。こうした子供たちは、しがみつける人や物を必死で探しています。皆さんに希望のしるしを求めているのです。

ですから、あきらめようと準備をする時には(→くじけそうになった時は)いつでも、こうした人たちみんなのことを考えてください。そして皆さんは恵まれているということを思い出してください。そうした恵みと交換に、何かをお返ししなければいけないことも思い出してください。手を差し伸べて、誰かを引き上げてください。誰か他の人がもっと明るい未来を見られるように、腰を下ろして、みなさんの両肩に立たせてあげてください。

Section 4

活動家マリアン・ライト・エデルマンは「奉仕は生きるために支払う家賃です。奉仕は成功を測る真の尺度、唯一の尺度です」と言っています。ですから、卒業生の皆さん、厳しい時期を迎え、不安が広がるときには、皆さんのために道を切り開いていただいた人たちのことを思い起こしてください。また、皆さんが道を切り開いてくれることを頼りにしている人たちのことを思い起こしてください。可能性にしがみついて、不安を払いのけてください。皆さんを今日この場に導いた希望に、このコミュニティを作り、この席に座ることを可能にしてくださった人々の希望にしがみついてください。

希望が持つ力について何か少し知っている人は、皆さんの周りにも大勢いらっしゃいます。私たちは知らないでしょうか?――知っています。お父様、お母様もご存知でしょうし、おじいさま、おばあさまもご存知でしょう。

皆さん方はマーセドの、そしてこの国の希望です。私たちの抱く夢を実現する人になってください。そして次の世代への希望であってください。私たちは皆さん方を信じています。ありがとうございました。ご幸運を。皆さんに神のご加護がありますように。