わやくの部屋

PRO-VISION 1 -Lesson 1

The Power of Vision and Hard Work
想像力とハードワーク

Section 1

私はこれまでのキャリアにおいて、研究者になる前もなった後も、多くの困難に直面してきました。

私がこれらをどのように乗り越えたかについて、みなさんにお話ししたいと思います。

まず最初に、今日までの私の経歴についてお話します。

私が高校時代に好きだった教科は、数学と科学でした。

しかし、熱心に勉強ばかりしていたわけではありません。

私がこの上なく好きだったのは柔道でした。

毎日何時間も練習し、大阪府の大会にも出場しました。

柔道の練習ではいつもけがばかりしていました。

骨折をしたのは一度だけではなく、整形外科医の診察を受けました。

その経験がスポーツ医学への私の興味をかき立て、私は自分自身が整形外科医になることを決心しました。

Section 2

私は医学部を卒業して整形外科医として研修を始めましたが、私の夢はすぐに打ち砕かれました。

ある時ほかのどの外科医でも20分でできるような手術を、私は終わらせるに2時間かかりました。

私の指導医の先生方や看護師さんたち、さらに患者さんさえもが、私がこんなに遅いことを信じられませんでした。

「私は決して立派な外科医にはなれないだろう。」と悲しくも自分に言い聞かせました。

それが私の人生における最初の大きな挫折でした。

自分自身の限界を感じるようになると同時に、現代医学の限界を意識するようにもなりました。

さまざまな患者さんを診察するにつれて、世界で最高の医者でさえ治すことのできない病気があることを実感するようになりました。

たとえそうであっても、私はそのような病気を治す方法を発見したくなりました。

そのため、私は病院で患者さんたちを治療するのではなく、研究者になり実験室で病気の原因を見つけ出す決意を固めました。

Section 3

私は研究活動に全力を注ぎました。

興味深いものでしたが、多くの困難もありました。

科学者は何かのアイデアが浮かぶと、それが正しいかどうかを確かめるために実験を行います。

しかしながら、私がおこなったほとんどすべての実験は失敗に終わりました。

何ヶ月も実験に費やすことがよくありました。

しかしそれでも、自分の仮説を支持するデータを何も得られなかったのです。

しかし、失敗に見えるものが大発見の鍵になることがあります。

一つの例を示しましょう。

ある時、私はある実験でまったく予測していなかった結果を得ました。

最初は落胆しましたが、しばらくして私は興奮しました。

いくつかの予測しなかった結果のおかげで、次第に、新たな研究分野を追求する、すなわちiPS細胞を作り出すというアイデアを得ました。

そして、数年間懸命に研究を続けた後、私たちの研究チームはついにiPS細胞を作ることに成功したのです。

Section 4

次の言葉がずっと私を元気づけてくれました。

それは,ビジョンを持つと懸命に努力するという言葉です。

自分の目標に向かって明確なビジョンを持ち、それを達成するために一生懸命努力する必要があります。

また、(困難・苦境などから)立ち直る力も持たなければなりません。

これは、変化する状況に柔軟に対応し、困難から立ち戻る能力を意味します。

私のキャリア全体を通して、私は患者さんたちを治すというただ一つのビジョンだけを常に持ち続けてきました。

そしてそれを成し遂げるために、私はあらゆることを行います。

壁に突き当たったら、すぐにあきらめたりしません。

その壁を迂回する道を探します。

人 生において、あるいは学校において物事がうまくいかなくなったときは'vision' と 'hard work' という魔法の言葉を思い出してください。

これらがあれば、ほとんどすべてのことを成し遂げられるでしょう.