わやくの部屋

POLESTAR 1 -Lesson 8

Using Sunlight for a Brighter Future
もっと明るい未来のために、太陽光を使う

化石燃料を燃やすことで、たくさんの二酸化炭素を排出しすぎています。この問題を解決しようとして人々は何をしているのでしょうか?

Section 1

ほとんどの科学者は地球温暖化が本当だという点で意見が一致しています。地球の温度は、危険なほど高いレベルまで年々上昇してきています。主な原因の一つは化石燃料の使用だと考えられています。化石燃料に依存し続けるよりむしろ、地球環境にもっと優しいエネルギー源を多くの人が今、捜しています。

そうした環境に優しいエネルギー源の一つが太陽エネルギーです。温室効果ガスを出さないから、環境に優しいのです。また、太陽は無尽蔵のエネルギー源です。したがって、太陽エネルギーは今日のエネルギー問題への素晴らしい解決策のように思えます。

太陽光から電気を作りだす唯一の問題は、今も昔も費用です。昔は1ワット当たり、他のエネルギー源から発電される電気より10倍も多くの費用がかかりました。新たな科学技術を使って、今ではずっと低い費用で発電できます。実際に、太陽エネルギーが従来型のエネルギーにとって代わり始めている地域も世界にはあります。

Section 2

スペインを例にとってみましょう。スペインはたくさんの太陽光を手にできますから(→スペインにはふんだんに太陽光が降り注ぎますから)、スペイン政府と電力会社は巨大な集光型太陽熱(CSP)発電所を開発しました。CSP発電所のうちの一つは手ごろな価格で中規模の都市に十分な電力を供給できます。

もし他のヨーロッパの国々もスペインと同じくらい日がよく照れば、同じようにCSP発電所を建設することでしょう。ところが実際は、それほど日がよく照りません。このためヨーロッパ諸国の中には他の国に、日差しのあふれる場所に目を向ける国もあります。

ドイツ企業数社によって設立されたヨーロッパの企業グループは野心的な計画を考案しました。このグループは北アフリカの砂漠にCSP発電所を作る予定です。この立地には利点があります。例えば、北アフリカの砂漠地帯では、太陽がほぼ毎日輝きます(→ほとんど毎日晴天です)。その上、CSP発電所建設に適した土地がたくさんあります。この企業グループは北アフリカの砂漠地帯(だけ)で1,000か所ものCSP発電所を建設できるかもしれないと言っています。

Section 3

もしCSP発電所が北アフリカに建設されれば、スペインのCSP発電所より確実に大きいものになるでしょう。CSP発電所とはどのようなものになるのでしょうか? CSP発電所はどれも約1㎢の敷地に建設されることになります。一つひとつには数百個の巨大な鏡があります。この鏡は、水が満たされている一本の金属のタワーに太陽光を集中させます。この水が100℃をはるかに超えて熱せられます。このことで電気を作るタービンを回す蒸気が作りだされます。

北アフリカからの電気は海底ケーブルによってヨーロッパに送られるでしょう。必要とされる電力の6分の1をEUの国々に供給できます。

また、CSP発電所は北アフリカの人たちが必要といているものも提供できます。淡水です。蒸気がタービンを回した後は、他の仕事をするために使われます。今度は海の水を沸騰させるのです。海水は塩分を後に残したまま、水蒸気になり。水蒸気が冷やされると、淡水になります。

Section 4

CSP計画には賛成、反対両方の意見(=賛否両論)があります。賛成派の人たちは、発電所が建設されれば、ヨーロッパとアフリカの両方にとっていいことだと言います。ヨーロッパの人は今日ほど化石燃料に強く依存しなくなるでしょう。アフリカの人は今より仕事が多くなり、もっとたくさんの淡水が手に入るでしょう。CSP計画に反対する人たちは、ヨーロッパとアフリカは遠く離れているから、エネルギーの一部が途中で失われることになると言います。さらに、発電所はテロリストの攻撃の格好の目標になるかもしれないのです。CSP計画は、もう一つの南北間格差を生み出すかもしれないと指摘する人さえいます。豊かなヨーロッパ諸国が貧しいアフリカ諸国の弱みに再び付け込むことになるかもしれません。

CSP計画には幅広い範囲の意見があります。しかし、一番大切な問題は地球温暖化にどう対処していくのかというものです。明らかに、太陽エネルギーは最良の答えの一つです。もしCSP計画がうまく実現すれば、人類は環境に優しい世界に向かって更なる一歩を進めることができるのです。