PROMINENCE 1 -Lesson 7
What’s an Ig?
Igとは何か?
Section 1
あなたは今までに「イグ・ノーベル賞」のことを聞いたことがありますか?
それらはノーベル賞のアメリカのパロディーです。
イグ・ノーベル賞は、1991年にマーク・エイブラハムズによって創設されました。
「私たちは、人々をまず笑わせ、そして次に人々を考えさせる業績に名誉を与えるのです」と彼は言います。
マークはそのアイディアをどのように思いついたかを説明します。
「ある科学雑誌の編集者になったとき、私は色々な種類の人たちに会いました。
彼らは独特な研究をしていました。
しかし、誰もそれらを全く評価していないように思われました。
それで、私たちはイグ・ノーベル賞を創設することに決めたのです。」
「イグ・ノーベル」という名前はしゃれです。
ignobleの省略である「Ig」は、「不名誉な」という意味です。
毎年、10の賞が物理学、化学、そして文学といった部門に与えられます。
授賞式はボストンのハーバード大学にあるサンダースシアターで行われます。
Section 2
イグ・ノーベル賞の授賞式は独特です。
それはノーベル賞の授賞式とは全く異なります。
それは笑いとユーモラスな出来事でいっぱいです。
例えば、それは「紙飛行機投げ」から始まります。
興奮した聴衆が紙飛行機を30秒間投げるのです。
これは式の間中、断続的に続きます。
公式「ほうき係」のロイ・グラウバーは、何年もの間ステージから紙飛行機を掃き取ってきました。
しかし2005年には、彼は式に参加することができませんでした。
なぜでしょうか。
なぜなら、彼は本物のノーベル物理学賞を受賞するために、ストックホルムにいたからです。
イグ・ノーベル賞の受賞者には、彼らの研究を解説するために60秒間が与えられます。
8歳の少女がタイムキーパーの役を務めます。
彼女はミス「スウィーティー・プー」と呼ばれています。
もし講演者があまり長く続けすぎると、彼女は「もうやめて! 私は退屈なの!」と、講演者がやめるまで何度も何度も叫ぶのです。
授賞式は伝統的にマークの締めの言葉で終わります。
「あなたがもし賞を獲得しなかったら―そして、特にもし賞を獲得したなら―来年はもっとうまくいきますように!」
そのとき聴衆はもう一度笑います。
Section 3
日本人はイグの賞をほぼ毎年受けています。
2004年に、井上大佑はカラオケを発明して平和賞を受賞しました。
あなたはなぜだか推測できるでしょうか。
彼は「人々が互いに我慢することができるようになるための、全く新しい方法を提供したことに対して」賞を得たのでした。
彼はあまり英語が話せなかったが、授賞式では「愛するハーモニー」を大きな声で歌いました。
彼は聴衆総立ちの拍手喝采を浴びました。
2013年には、日本人研究者の2つのグループがイグ・ノーベル賞を受賞しました。
1つは新見正則のグループでした。
彼らは医学賞を獲得しました。
新見は東京の帝京大学の教授でした。
彼の研究では、心臓移植をされたマウスたちはヴェルディの『椿姫』を聞きました。
それらは平均の7日より20日長く生きました。
授賞式で、新見教授はネズミの衣装を着ている同僚たちと『椿姫』を歌いました。
それから彼は、脳は免疫システムをコントロールできると聴衆に語りました。
もう1つのグループは化学賞を与えられました。
彼らは、私たちがタマネギを切るときに涙を流させる特殊な酵素を発見しました。
スピーチの中で、研究主幹の今井真介は、タマネギの研究の間に彼のために涙を流してくれた人々に感謝しました。
今井氏は、人に涙を流させないタマネギを作り出したいと願っています。
Section 4
イグ・ノーベル賞に批判がないわけではありません。
イグ・ノーベル賞は「本物の」科学を笑いものにしていると考える人々もいます。
1995年にロバート・メイは、主催者が英国の科学者たちにイグ・ノーベル賞を与えるのをやめるように要求しました。
しかしながら、メイの批判は英国の科学者たちに賞を受け取るのをやめさせることはありませんでした。
実のところ、その賞は科学が楽しくてユーモラスなものになりうることを人々に伝えるので、多くの科学者たちはイグ・ノーベル賞が大好きなのです。
ここに、あなたが面白いと思うかもしれない研究がいくつかあります。
フランス人の研究者たちが、イヌにすみついているノミはネコにすみついているノミよりも高く跳べるという彼らの発見によってイグ・ノーベル生物学賞を獲得しました。
英国の別の研究者たちは、獣医学賞を獲得しました。
彼らの研究は、名前のある乳牛は名前のない乳牛よりも多量の乳を出すことを示しました。
これらは真面目な科学的研究の成果です。
イグ・ノーベル賞は、私たちを笑わせ、そして次に、私たちの住む世界と宇宙の大きな可能性について考えさせ続けてくれることでしょう。
そして、もしそうならば、イグ・ノーベル賞はその使命を遂行することに成功しているのです。