ELEMENT 3 -Lesson 2
Section 1
今後100年のうちに、知られている6,200の言葉のうち90%もが、消失してしまうかもしれないと信じている言語学者もいます。
すべての言語学者が、言語の喪失がこれらの予測が示すのと同じくらいに急速だろうということに同意しているわけではありません。しかし、多くの人が過去においてよりも急速に言語が消滅しつつあることには同意しています。
Section 2
下のグラフは世界の言語に関する今日の状況を示しています。
ユネスコによると、約57%の言語が今日も安全である一方で、少なくとも39%が多かれ少なかれ危機に瀕しています。
約4%の言語は1950年以降に消滅してしまっています。
Section 3
何が言語を消滅させるのでしょうか?
言語学におけるこれまでの主張は、話し手が死ぬことが原因で言語はなくなるというものです。
原因の1つは、火山噴火、地震、または病気など、ある地域の全住民とその言語を消滅させる自然現象です。
16世紀から19世紀の間にヨーロッパ人移民によってアメリカへ持ち込まれた病気は、アメリカ先住民の数を劇的に減少させ、いくつか言語の消滅の原因となりました。
Section 4
戦争のような人為的な原因もあります。
たとえば、アメリカの白人移民とネイティブアメリカン(先住民)との戦いを考えてみましょう。
下の地図が示すように、2010年の時点でアメリカには191の絶滅危惧言語がありました。
日本にも危険にさらされている言語がいくつかあります。
1600年代の戦い、それに続く日本人の北海道へ進出と先住民の間ではやった疫病によって、アイヌ民族の大多数は19世紀の終わりまでに消滅しました。
アイヌ語は、日本では8つの絶滅危惧言語のうちの1つと見なされています。
Section 5
しかし今日、言語が消えている新しい方法があります。
科学技術と物質的な豊かさに対する欲求によって、いくつかのより小さな言語コミュニティが自分たちの伝統的な言語を捨てて英語に乗り換えさせてしまいました。
人々は、100人しか話し手がいないかもしれない言語よりも、子供たちが英語を使った方が成功する可能性が高いと信じています。
彼らが間違っているとは言い難いですが、私たちは私たちの社会への損失について考えなければなりません。
Section 6
言語がなくなるとき私たちは何を失うのでしょうか?
その文化的慣習やしきたりのみでなく、その社会が時間をかけて蓄積してきたその社会の知識も失うことが私たちの信念です。
失われた知識に加えて、私たちは世界をとても興味深い場所にしている多様性もまた失います。
Section 7
すると、世界の言語を保護するために何ができるかを理解することが重要になります。
危険にさらされている言語に対処するために積極的な方法は主に2つあります。
方法の1つは言語の保存です。
これはその言語が縮小したときに生きている話し手がとても少なくなるまでしばしば行われます。
言語学者は、言語の消滅に備えて、できるだけ多くの言語と文化についての情報を記録しようとします。
Section 8
もう一つは言語の再活性化です。
これは、その言語コミュニティに、その言語を振興する必要性があるという意識が存在するときに行われます。
言語コミュニティは、家庭で、教育で、貿易で、そしてメディアでその言語が使われるように配慮することにおいて積極的な役割を果たさなければなりません。