PRO-VISION 2 -Lesson 9
Laughter is the Best Medicine
笑うことが最良の薬
Section 1
自転車はタイヤが2つなので(とても疲れたので)自分では立てない
7日間は人を弱くする(1 週間だ)
なぜかかしは昇給したの?彼は専門分野で際立っていた(畑で目立っていた)からだよ
「これはいったい何?」上の写真についてあなたはそう言うかもしれません。
一見すると、説明書きのあるこれら 3 枚の写真は、何も共通するようには思えません。
しかし実際には、これらはすべてジョークなのです。
しかも、どれも二重の意味を持っています。(斜字体の部分を確認してみてください)
どれか笑えましたか?
どれがいちばんおかしかったですか?
それはともかく、 もしもジョークのどれかで笑ったり、少しでもほほ笑んだりしたら、おそらく何かよいことがあなたに起きたことでしょう。
ユーモアや笑いは緊張をほぐすことがあるでしょう。
それだけではありません。
精神と肉体の両方に対して、健康効果をもたらすでしょう。
笑うという行為、あるいは単純にユーモアを楽しむということは、ストレスホルモンの減少を促します。
それは痛みや怒り、あるいはほかの不運な瞬間を経験するときに分泌されます。
笑えば笑うほど、ストレスや不安は軽減します。
それに加えて、ユーモアと笑いは、エンドルフィンの分泌を促しますが、それは喜びの感覚を増幅させます。
これは結果として、免疫システムの働きをよくします。
また、脳波の活動をいわゆる「ガンマ波」と呼ばれる、記憶や想起に適した状態に変化させます。
さらに驚くであろうことは、100回笑うということは、エアロバイクで15分間運動することに等しいという事実です。
笑うことは全身運動にもなりうるのです!
Section 2
笑うという体験の背後には、どのような身体のメカニズムがあるのでしょうか。
科学技術の前進のおかげで、今日の神経学者は、おもしろいことに出合ったときに脳の中で何が起きるかをよく理解しています。
ユーモラスな材料を使った研究で、脳波の動きのパターンが分析されました。
被験者は脳波計と呼ばれる特別な測定装置につながれ、笑ったときの脳波の動きが測定されました。
いずれの場合も、脳は規則的な電気的パターンを生成しました。
潜在的に面白いものへの暴露の4分の1秒以内に、電気波が脳内を移動しました。
実験中、研究者たちは次のことに気づきました:
脳の左半球でジョークの中の言葉を分析すると、社会的情動反応を司る部分である前頭葉が非常に活性化したのです。
脳の右半球でジョークを理解するために求められる知的な分析を行うと、それから、脳波の活動は後頭葉の感覚を処理する部位に広がりました。
最後に、運動野への刺激がジョークに対する身体的な反応を引き起こしました。
これは、恐れ、不安、喜びといった情動反応によって起きることとは異なります。
情動反応は脳の特定の部分に限定されているようですが、一方で笑いは、脳のさまざまな領域を走る回路を通じて生み出されるようです。
したがって、人間のユーモアの経験はより複雑な過程であるということがわかります。
Section 3
ある有名なコメディアンが、おもしろいとはどういうことかと尋ねられて、こう答えました。
「おもしろくないことが何かを知りたいのかい?それはおもしろいとはどういうことかと考えることだよ」
そう、彼は正しいのかもしれませんが、何をおもしろいと思うかについて考えることは、何千年も続いてきました。
その期間を経て、ユーモアを研究するための知的基盤として役立つ多くの理論が出現しました。
それらの中で最も有力なのは、不一致理論として知られています。
この理論では、予想することと実際にわかることとの相違にユーモアは基づいていると述べています。
次のジョークを考えてみてください。
「私は一人で歩くのを楽しんでいるの」とある女性が言います。
すると男性が彼女にこう言います。
「あなたは一人で歩くのが好きなんですね。私もなんです。ですから、一緒に行けますね」
この例では、「一人で歩くのを楽しんでいるの」という女性の発言が、「私もなんです。ですから、一緒に行けますね」という返事で、予期しないほうに話が向かいます。
明らかに、もし一緒に行ったとしたら、一人で歩くことにはなりません。
私たちの心の中に不一致が生じます。
ジョークがおもしろくなるのは、ある結果を予想して、違うことが起きたときなのです。
ひょっとしたらあなたはこのジョークに笑わなかったかもしれませんし、にやりともしなかったかもしれません。
それはまったく理解できることです。
人によって反応するユーモアは異なります。
あるいは、まったく反応しない人もいます。
あるジョークを笑うかどうかは、その人特有のユーモアのセンスによるのです。
Section 4
ユーモアのいいセンスを持っているとしても、必ずしも一日中笑っているわけではありません。
私たちはまた、ユーモアを感じたときに、周囲にいる人びとのことを考える必要があります。
そもそもなぜ、人は笑うのでしょうか。
哲学者のジョン・モレオールは、人類の最初の笑いは、危険が過ぎ去ったことへの安堵感を共有する意思表示として始まったのかもしれないと考えています。
そして、笑いがもたらす緊張の緩和が、生物的な「闘争・逃走反応」が生じるのを妨げるので、笑いはそれを共有する人びとへの信頼を示すことになるのかもしれません。
多くの研究者が、笑いの目的は人と人のつながりを作り、強化することに関係していると考えています。
「笑いは、人と一緒にいてお互いに心地よいときに起こり、それは打ち解けて自由であると感じているときなのです。そしてより多くの笑いがあれば、そのグループの中により多くの絆の形成が起こります」とある著名な文化人類学者は言います。
絆―笑い―絆と繰り返される循環が、集団から一人で外れたくないという共通の願望と結びついて、笑いがしばしば伝染する理由となっているのかもしれません。
簡単に言えば、笑いとは社会的なものです。
人はほかの人と一緒にあるジョークを聞いた場合、同じジョークを一人で聞くよりも笑う可能性が30倍も高まります。
私たちは狙ったジョークやお決まりのジョークよりも、日常生活における身の周りのごく普通のことでずっとよく笑います。
笑うときには、緊張が緩和され、つかの間の思いがけない喜びを経験します。
他の人たちとより強い絆で結ばれていると感じることもあるでしょう。
笑いは私たちにとって有益なものであり、人生の苦痛を取り去ってくれます。
そういうわけで私たちは、「笑いは最良の薬」と言うのです。