わやくの部屋

UNICORN 3 -Lesson 4

Variation in English
英語の種類

1.   英語を学んでいる外国の学習者がイギリス諸島を訪れると、どのような点に驚くのでしょうか?

2.   英語を学んでいる外国の学習者は、英語のネイティブスピーカーを理解するときに直面する問題のうちのいくつかをどのようにして克服できるのでしょうか?

Section 1

英語を学んでいる外国の学習者がイギリス諸島に最初にやって来ると、耳にする英語をほとんど理解できないことがわかって、たいていは驚いたり、しばしばうろたえたりします。1つには、思っていた以上に、人々が早くしゃべるように思えるからです。また、ほとんどのイギリスやアイルランドの人が話す英語が、訪問者たちが学んできている英語とは多くの点で違っているように思えるからです。たちどころに訪問者たちを襲うのは、おそらくはまさに発音の違いなのでしょうが、その一方で、学習者たちは文法や語彙の違いにも気づくかもしれません。

Section 2

こうした経験に対する訪問者の反応には、いろいろあることでしょう。耳にするイギリス、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの人たちのうちのほとんどの人は、英語を正しくしゃべっていない、あるいは、しゃべることすらできないと、訪問者たちは結論づけるかもしれません。この点に関しては、訪問者たちは、たくさんのネイティブスピーカーが自分たちに同意してくれることがわかることでしょう。外国語、あるいは第2言語として英語を学んでいる人たちは、たいていは正式な方法で英語を学んできていますから、ネイティブスピーカーたちよりもキチンと、何が「正しい」のかを知っていて当然だと言われることさえあるのかもしれません。

Section 3

ネイティブスピーカーたちが自分自身の言葉を正しく話せないという意見は、2つの方法で論じることができます。まず第一に、イギリス諸島を訪れている学習者たちにとって、正確性の問題(=現地の人たちが話す英語が正しいのかどうかという問題)は、ほとんどの場合、的外れだということを、理解すべきです。正しいのか正しくないのかには関係なく、学習者たちの目的は、耳にするものを理解することなのです。第2に、正確性という考えは、ネイティブスピーカーたちの言葉を言い表すときには、あまりに役に立たないし、それほど適切でもないということを理解すべきです。

Section 4

話されていることを理解しそこなうことに対する学習者側のもう一つの反応は、自分の国で学んだものは、ひょっとすると、「本物の」英語ではなかったのかもしれないと考えることかもしれません。運のいいことに、これが事実である(→これが当てはまる)可能性はどんどん低くなっています。学習者が学んできている英語は、十分本物ではあるものの、英語のたった一つの種類、すなわち、自分自身の話し方のお手本として役に立つように選ばれた種類に限定される傾向があるようです。その種類がゆっくり、そして慎重に話され、比較的フォーマルな状況で話される、ある特定のグループのネイティブスピーカーたちが話す種類に、たいていの場合なるものです。

Section 5

時間の制約と、教師の知識の制約と、生徒の向上心と心構えの制約を考えに入れると、少なくとも話すことに関しては、こうした制約は完全に納得できるものです。学習者たちは、時には少し変に聞こえるかもしれないけれど、たいていは自分の言いたいことはわかってもらえることでしょう。しかし、聞いて理解することに関しては、そのような制約は、正当化できる度合いが低くなります。ネイティブスピーカーたちは学習者たちの伝えたいことを理解できるかもしれませんが、その一方で、ネイティブスピーカーたち自身の伝えたいことを、学習者にとって、よりわかりやすい形で表現する能力、あるいは傾向を欠いているのかもしれません。もちろん、多くの場合、ネイティブスピーカーたちは、そのような困難に単に気づいてはいないのでしょう。たとえ気づいている場合であっても、よくある対処方法は、たった今話したことを、もっと大きな声で繰り返すことだけなのです。したがって、英語のかなりの種類に(→いろいろな変種の英語にも)さらされることと、そして、そうしたいろんな種類の英語を理解する際の助けは、外国語として英語を勉強する上で大切な、有益な役割を演じることができるように思えます。