わやくの部屋

CROWN 3 -Lesson 4

Does Money Make You Mean?
お金が人を嫌なヤツにする?

グローバリゼーション(グローバル化)は世界に大きな利益をもたらしました。

1981年から2012年の間に、1日当たり1.90ドル以下で生活している世界の人口の割合は、44パーセントから12.7パーセントに減少しました。

東アジアでは、貧困層は80パーセントから7.2パーセントに減少しました。

しかし、誰もが恩恵を受けているわけではありません。

ほとんどの先進国では、富裕層と貧困層の差が拡大しています。

経済的不平等は私たちの時代の最も重要な問題の一つです。

もし富裕層が自分の富を貧困層と共有するのであれば、不平等はさほど問題にはならないかもしれません。

しかし、こんなことは起こっていないようです。

アメリカの社会心理学者、ポール・ピフはその理由を知りたがっていました。

ピフは、お金持ちになることがあなたの共感や思いやりにどのように影響するかを調べるためにいくつかの研究を始めました。

彼はお金が人にどのような意味をもたらすのか調べたいと思いました。

これが彼が発見したことです。

Section 1

裕福な人たちは貧しい人たちとは違うように考え、行動をするでしょうか?

ポール・ピフは、多数の実験でこの問題を調べました。

彼の調査結果は、人は富が増えるにつれて、彼らの権利意識や利己心も増えると示唆しているが、彼らの共感や思いやりは弱くなっています。

ピフは、経済的不平等が拡大するにつれて、誰にでも成功して繁栄する機会が等しくあるという考えが損なわれることを心配しています。

ある興味深い実験では、人々は2人のプレーヤーが土地、建物および家を売買することで競うボードゲームをしました。

そのゴールは、誰が最後にいちばん多いお金と資産を手に入れたかを見ることです。

各プレイヤーは同じ金額で開始され(もちろん、それはおもちゃのお金です)、各プレイヤーは同じルールに従う必要があります。

ピフはゲームを変更することにしました。

一人のプレイヤーがもう一方のプレイヤーよりも多くのお金を得られるようにゲームが不正されていて、ルールも「裕福な」プレイヤーを支持した場合、何が起こるのかを彼は見たかったのです。

100組以上の見知らぬ人が、不正なゲームで「裕福」なプレーヤーか「貧しい」プレーヤーになるように頼まれました。

裕福なプレイヤーは2倍のお金を手に入れ、そしてルールは彼らの有利に働きました。

ピフは何が起こったのか隠しカメラを通して見ました。

ゲームが進むにつれて、劇的な違いが2人のプレイヤーの間に現れました。

裕福なプレイヤーたちは権力と祝賀のしるしを見せ始めました。

彼らは騒々しくなり、彼らの駒をボードにたたきつけました。

彼らは研究者が提供したプレッツェル(ビスケット)を彼らの分け前よりも多く取りました。

裕福なプレイヤーたちはより自慢しているようになりました。

彼らはだんだん貧しいプレイヤーのひどい状態に敏感ではなくなっていました。

場合によっては、それらは本当に失礼でした。

Section 2

ピフによれば不正なゲームでは、少数の人が大多数の人よりもずっと裕福で地位も高い社会を理解するための例えとして使用することができます。

何千人もの参加者を対象とした何十もの研究で、ピフは人々がより豊かになるにつれて、彼らは思いやりの感覚を失い、彼らは高められた権利意識を感じています。

より裕福な個人は、貪欲が良いことであり、自己利益を追求することが良いことで道徳的であると実際に感じる可能性が高いです。

ピフは他の実験を始めました。

彼は、家族の収入、教育水準、経済的安定性、そしてどれくらい彼らが彼らの見え方を評価したかについて人々に尋ねました。

ピフは、参加者はどれくらいの時間を自分の姿を鏡でみることに費やすのかというテストもしました。

彼は裕福な人はより頻繁に自分自身を見ていて、より自己陶酔的であることを見出しました。

ピフはまた、行動を助けること(人助け)にも注目しました。

彼は誰が他の人に援助を提供する可能性が高いのかに興味がありました。

コミュニティの裕福なメンバーと貧しいメンバーはそれぞれ10ドルを与えられました。

彼らはそれ(10ドル)を全部自分のためにしておくことも、その一部を見知らぬ人と共有することもできると言われました。

研究者たちは、どれだけの人が寄付するかを監視しました。

年間の収入が15,000ドルから25,000ドルのより貧しい人々は、年間150,000ドルから200,000ドルの間で稼いでいる人々よりも、見知らぬ人に44%多くのお金を寄付しています。

別の研究では、発達プログラムに参加していた子どもだちのために予約されているキャンディーを誰かがとるかどうかを調べました。

裕福になった人は、自分が貧しいと感じる人の2倍のキャンディーを取りました。

Section 3

もちろん、このような行動パターンを示すのは裕福な人々だけではありません。

実際に、私たちのほとんどの日常生活では、自分の利益を他の人々の利益よりも優先させるかどうかを決めるのに苦労しています。

それは理解しやすいです。なぜなら、多くの人々は私達が一生懸命頑張って働く限り、私達全員が成功し繁栄するための平等な機会があることを好むからです。

時に私たちは、自分の利益を最優先にする必要があります。

しかし、ピフの研究は、人は裕福になればなるほど、他人のことを考えずに個人的成功を追求する傾向が強くなるということを示しています。

今日、世界は前例のないレベルの経済的不平等を経験しています。

アメリカでは、人口の上位20%が国の総資産の90%近くを所有しています。

勤勉さと誠実さが成功につながるという夢は、ますます手の届かないところにあります。

このパターンは、裕福な人々が自分たちの自己利益に役立つことなら何でも自由にできると感じても変わりません。

状況が悪化するだけだと考える理由はすべてあります。

経済的不平等は、誰もが心配すべきことです。

不平等が増大するにつれて、社会的流動性、身体的健康、社会的信頼はすべて低下します。

それだけでなく、経済的不平等が増大するにつれて暴力と犯罪が増大します。

これらの成果は社会のあらゆるレベルで感じられます。

最上部の人々でさえ、これらの結果を経験しています。

要約すると、経済的不平等は単なる個人的な問題、あるいは国内的な問題でさえありません。

それは、国際的に大きな関心事です。

2016年の調査によると、人類の最貧層を占めている36億人の人々と同じ富の量をたった8人の個人で所有していました。

そして、不平等は増大すると予想されます。

Section 4

それで私たちに何ができるでしょうか?

状況は制御不能なように思われますが、それについて私たちができることは何もありません。

しかし、実際には、実験室の研究で、特定の方向への小さなナッジ、人々の価値観の小さな変化が共感のレベルを回復させることができることを発見しました。

※小さなナッジ:ナッジとは、ひじで軽くつつくという意味。行動経済学では、人に良い行動をとらせようとする戦略として知られている。

人々に協力の恩恵、またはコミュニティの強みを思い出させることは、裕福な人たちを貧しい人たちと同じくらい寛大で共感的にさせます。

ある研究では、他の人々のニーズを思い出させるものとして役立つ、子供の頃の貧困についての短いビデオを見るよう人々に頼みました。

ビデオを見た後、研究者は人々がどのようにして見知らぬ人を助けようとしていたかについて調べました。

裕福な人々は貧しい人々と同じくらい寛大で、見知らぬ人を助けることをいとわないようになりました。

その発見は、共感と仲間意識のこれらの違いが先天的ではないが、人々の価値観のわずかな変化と、思いやりと共感への少しのナッジによって簡単に影響されることを示唆します。

彼の研究室の外では、ピフは彼が社会の変化の兆候を見始めていると感じています。

世界で最も裕福な人々の一人であるビル・ゲイツは、不平等を私達の時代(現代)の最大の課題と呼んでいます。

「人類の最大の進歩はその発見にあるのではなく、それらの発見がいかにして不平等を減らすために適用されるのか」と言って、彼はそれに対抗するためにしなければならないことについて話しました。

そして、100人以上のアメリカで最も裕福な人々が自分たちの財産の半分を慈善団体に寄付することを誓う誓約があります。

彼らは自分たちの経済的資源を使って不平等と闘っています。

最後には、彼らは勤勉と誠実さが彼ら自身と彼らの子供たちのより良い生活につながるという人々の信念を取り戻すことを望んでいます。