わやくの部屋

PRO-VISION 3 -Lesson 1

Section 1

みなさん、こんばんは。この場に立って、世界中の方々がお書きになった6分間のスピーチ(訳者注:パート2で列挙される11項目が世界から寄せられた要望です。このことは、パート2の最初の記述と、11項目の直後の記述から読み取れます)をみなさんにお伝えできて、とても光栄です。この瞬間は大切過ぎて黙っていられません。世界各地から、政府、財界、市民団体の指導者の方々が、今週、まさにここ、リオデジャネイロに集まって、私たちの住むことになる世界の種類と、次の世代に残すことになる将来の種類(→これからどんな世界を作っていくのか、次の世代にどんな世界を残していくのか)について話し合って、決定を下す予定です。

私たちの声は、この話し合いには大切なのです――そして、影響力を持っています。20年前、リオは当時の地球環境と持続可能性の問題に焦点を絞った1992年地球サミットを主催しました。12歳(の少女)だった私も、カナダから飛行機でサミットに駆けつけ、世界の指導者たちに本当に危険にさらされていることは何なのかを思い起こしていただきました。私の世代の将来と、次にやって来るすべての将来の世代の将来がかかっていたのです。「なぜみなさんがこの会議に出席していらっしゃるのか、誰のために地球サミットをなさっているのかを忘れないでください。私たちはみなさん自身の子供なのです。みなさんは私たちがどのような種類の世界で育つことになるのか(→私たちがどんな世界で育っていくのか)をお決めになっているのです」と私は話しました。 1992年地球サミットは世界の注目を持続可能な開発に集中させました。今日、問題はさらにもっと深刻です。問題はさらにもっと今日のものとなり、緊急を要するものになっています。汚染は私たちの気候を変えてしまっています。10億人以上が電気のない暮らしを送っています。子供たちは防げる病気や、栄養失調や、単なる脱水症状でいまだに死んでいるのです。

とても多くの人が生き残るために悪戦苦闘しています。安全な飲み水も、十分な食べ物もたいていは、ない状態で、貧困の中で暮らしています。と同時に、1%の人たちだけが、もっとお金持ちになり続けています。私たちはもっと良いことができるはずですし、そうしなければいけません。グローバル社会がリオ+20に集い、世界の代表が今夜、到着し始めるとき、献身的な市民に堂々と意見を述べていただき、進歩を要求していただき、リオで(何が話し合われ)、そしてその後で(リオ+20が終わった後に)何が起きるのかを気にしているということを世界の指導者に伝えていただく必要があります。20年前、私は1人の女の子(にすぎません)でした。1つの部屋(に集った人たち)に語りかけました(→語りかけたにすぎませんでした)。(しかし)今日では、科学技術とソーシャルメディアのおかげで、私たち1人ひとりが、これをご覧のみなさん方1人ひとりが、世界中至る所で声を伝え、結びつけるメガフォンを持っています(=ご自分の意見をSNS、ブログ等で発信できるのです)。私たちは変革を鼓舞するために、そうしたメガフォンを使わなければいけません。

Section 2

ここ数週間で、世界中の人たちがリオ+20に関する対話に参加するために、ソーシャルメディアを利用しています。ケニアから、ロシア、インド、米国、ブラジルに至るまで個人の方々が、現在についての心配なことと、私たちが共有する将来についての懸念を共有しています。

こういう方々のメッセージは、よりきれいで、もっと健康的で、さらに活気あふれる将来のモザイクを作り上げました。これ(こそ)が世界(全体)が望んでいる将来です。その将来とは――

・私たちみんながきれいな空気を吸い、きれいな水を飲める将来
・海を飲み込んでしまう恐れがある汚染の形勢を不利にする将来(→海までも汚染してしまう恐れのある動きを食い止める将来)
・誰もがみんな、電気と電気のもたらしてくれる恩恵を利用している将来
・太陽や風や地面から得るクリーン・エネルギー(→太陽光発電、風力発電、地熱発電によるクリーンなエネルギー)を世界に供給している将来
・地球の自然の宝物が守られ、保存されている将来
・誰もお腹を空かせていない、貧しさが過去の問題となっている将来
・すべての子供たちが必要とする栄養をとり、受ける価値のある教育(→その子にふさわしい教育)を受けている将来
・女性と子供の権利が認められ、人権が尊重されている将来
・防げる病気が子供の命を奪わない、出産時の合併症が母親の命を奪わない将来
・一部の人にとっては医療はぜいたく品だということのない(→医療はぜいたく品だという人がいない)、みんなが(等しく医療を)利用できている将来
・どの若い人にも働く機会があり、どの社会にも繁栄するチャンスがある将来

私たちは、行動が言葉を反映できる世界(→言行の一致する世界)を思い描いています。(先に列挙した)こうした言葉は平凡な言葉でも、陳腐な表現でもありません――世界中の人たちの(=世界中の人たちから寄せられた)表現に基づけば、それは希望です。将来への希望です。こうした将来を作ることは素早くはできませんし、簡単でもありませんが、私たちが行なうことのできる一番大切なものとなるでしょう。課題が大きくて複雑である一方で、私たちは解決策を持っています。今、この瞬間、解決策を持っているのです。

世界の経済面、社会面、環境面での諸問題は密接に絡み合っていて、解決策を作るには包括的な取り組みが必要です。そして、こうした諸問題は、(今後)明らかになってくる構造の基本的な枠組みとして、地球という惑星の生態学的な現実を理解することを要求しています。

リオ+20は、環境を守り、社会的公平を推し進める持続可能な開発という議題を前に進めるチャンスです。その議題とは、「将来の世代が自分たちの必要性を満たすための将来の世代の能力を危険にさらすことなく(→将来の世代が自分たちにとって必要なことをなしうる能力を傷つけないで)、現在の必要性を満たす」ものとして、持続可能な開発を定義することを受け入れる議題です。

Section 3

今週、国連はみんなを――政府、民間部門、市民団体、関心のある地球市民たちを――前に進む方法を見つけるために(会議=交渉の)テーブルにつけています。持続可能な将来という約束した内容を実現するためには、新制度の導入と、協力と、もちろん行動を必要とします。国家は地球規模の解決策に関して相互に協力し、国連とも協力して取り組むことが必要な一方で、自国内で持続可能な発展を奨励する対策を講じることも必要です。企業は企業責任を引き受け、みんなの模範になって引っ張っていく必要があります。市民団体の組織はできるだけ効率的で、創造的で、効果の上がるものになる必要があります。そして、個人は、指導者を説明責任を取らなければいけない状態にしておき、近所でのボランティア活動であろうが、新たな地球規模の新戦略を支える活動であろうが、自ら関わる必要があります。違いを作るには、ご立派な名前も、巨額のお金も必要ありません。声を持っているのですから、今こそその声を使うのです。私たちみんなが、よりよい世界を作る際に役割を持っています。
(この運動に関わる)この部屋にいらっしゃ人たち、オンラインで参加していらっしゃる人は、21世紀における持続可能な開発運動の最前線にいるのです。私たちはあらゆる職業から集まり、世界のすみずみから集まっていますが、もっと明るい明日への希望で(ひとつに)結び付けられています。

賭けられているものは高く(=負ければ失うものが大きく)、課題は大きいのですが、前進は可能です。可能な以上に、前進は、なくてはいけないものです。ですから、今日がこの話し合いの終わりではありません。歴史は、何も言わず黙って立っている人や、何も決めないと決める人によって作られるのではありません。歴史は、行動が意志を反映している人(→強い志を持って行動する人)によって作られるのです。私たちの望む将来のために堂々と意見を述べ続けることは、ここに集っている私たち1人ひとりにかかっています。そして、同時に、私たちは大きすぎて無視できない声になりつつあります。将来の世代が危険にさらされています。この瞬間をうまく利用しなければいけません。どうもありがとうございました。