吃音症に関する書籍-ボクは吃音ドクターです。-



ボクは吃音ドクターです。

吃音者の割合は世界中どこでも100人に1人と言われています。彼らの中には社会参加もままならず、対人恐怖からひきこもりや鬱病を併発する人も多く、目に見えにくい社会問題になりつつあります。この本の著者は、自身が幼少期から吃音に悩み、電話も外出も嫌い、そのため友達もできずに誰にも相談できずに苦しんでいました。しかし、「それなら自分で治す方法を見つけよう」と猛勉強の末に医学部へ進学され、現在は日本でただ一人の吃音の専門医として活躍されています。本書は「吃音」という劣等感に苛まれた人へ贈られる心強く温かいメッセージです。吃音に苦しんだ著者だからこその言葉の重みがあります。

本書で示される1番重要なメッセージは「言葉は伝わる事が何より大切」という事だと思います。吃音は治さなければ行けないという変なプレッシャーを自分にかけてしまいがちですが、そんな時に「言葉」そのものの本質に気づかせてくれる本です。
吃音を治す方法等については記載されていませんが、現場の言語療法士との対談や最近の吃音研究、特に脳の研究については大変勉強になります。非吃音者にもおすすめの書籍です。